飴
夕べは前職の同僚たちと月例の飲み会だった。
桜が満開なので二次会はお花見にしようということになり、みんなでタクシーに乗って名城公園に向かった。
3台に分乗して、私が乗ったタクシーは、若くて可愛らしい女性が運転手さんだった。
乗ってすぐ、運転手さんがみんなに飴をくれた。公園の近くにはコンビニがないから飲み物を調達していかないとという話になり、コンビニを探して寄ってもらった。
同乗の若者男子二人が買い出しに行き、私ともうひとりの同僚女子は車の中で待つことに。待っている間、運転手さんがまた飴をくれた。今度はさっきよりもっとたくさん。
聞くと、運転手さんは飴が好きで、更に人に飴をあげるのが好きなんだそうだ。なんかカワ(・∀・)イイ!!
袋いっぱいに飴をいれてあってお客さんにあげるんですと嬉しそうに話してくれた。お釣りはいらないよとチップをくれるお客さんがいたら、そのチップで飴を買うんだって。
更にいろいろ話してくれたところによると、運転手さんは、車の運転が大好きで、タクシーの運転手は憧れの職業だったそう。念願かなって憧れのタクシー運転手になれて、うれしくて楽しくてたまらないらしい。
運転手さんが言うには、他のドライバー職(も経験したそう)とタクシーの運転手が違うのは、タクシーの運転手はお客さんを乗せるまでどこに行くかわからない。今日はどこへ連れて行ってもらえるんだろうと思うと、楽しくてたまらないんだって。
へーーーーー。
タクシーの運転手さんに、お客さんが連れて行ってもらうというのが一般的な捉え方だと思うけど、この人にとってはお客さんに連れて行ってもらうという感覚らしい。それを聞いて、この方ほんとにこの職業が好きなんだなと思った。
私もそれなりに自分の仕事は好きでやっているつもりで、私の仕事に対価を払ってくれる人(クライアントなり、エンドユーザーなり)に対して自分がxxしてあげていると思ってるわけでもないけど、その人たちが私にxxしてくれる、っていう考え方をしたことはなかった。
運転手さんは、お客さんにいろんなところに連れてってもらってると思うから、サービスで飴をプレゼントする。きっと感謝の気持ちも込めて。そのプレゼントは、単なる飴以上にはるかに価値をもってお客様の手のひらに届く。
運転手さんの仕事に対する愛情と思い入れが、運転手さんの仕事の価値をあげている。
なんて素晴らしいことなんだろ。なんて素敵なんだろう。
私はそんな気持ちを持って仕事できてるだろうか。
なんか、背すじが伸びた気がした。
見習おう。
明日は朝から東京出張だけどまぁいっか桜きれいだし行くしかないとかなんとかワイワイ言ってた私たちの話を聞いていた運転手さんが、明日の新幹線で食べてくださいねとまた飴を手のひらいっぱいにくれた。
運転手さん、またあなたの車に乗りたいです。