ひとりオフィスはじめました

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木賃宿

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今年は新しいことにチャレンジすることをわたし的テーマにしているんだけど、狙わずして初めての体験となったことがある。

ゲストハウスへの滞在だ。

大抵の人は若い頃に貧乏旅行とかで体験するんじゃないかと思うが、私はこの歳にして初めての体験となった。

貧乏旅行ではなくおしごとの出張で、である。

最近の東京はビジネスホテルもすっかり高くて、特に週末を挟んだりすると高いだけじゃなくまったく空きがない。そもそも大体夜遅くまで仕事して帰って寝るだけなので、いくら会社が払ってくれるとはいえ6〜7時間のシャワー浴びて寝るだけの滞在のために高いお金を払うのはもったいないというかバカらしいような気もしていた。何より、週に2回くらいのペースで泊まっていると、ビジネスホテルにはすっかり飽きてしまったのだ。

そんなときに、京都発で渋谷にも最近出来た新コンセプトのスマートポッドホテルという前から気になっていた宿泊施設が、連休明けで破格になっていたので泊まってみた。

言ってしまえばオシャレ風にしたカプセルホテルみたいなもんなのだが、フロアへのアクセスキーや個室(といってもセミダブルのベッド一個分がスクリーンで仕切られているだけなんだけど)の照明やらがすべて最初に渡されるiPod Touchで操作する方式で最先端だし、シャワールームとかもとってもきれいでかっこいいし、ベッドもすこぶる快適。コワーキングスペースくらいの共有スペースもあって、そこで朝ごはんも出してくれる。わたし的には予想以上に大満足だった。

ところが次回も絶対泊まろうと思って次の出張のときに予約サイトを見たら、12000円とかびっくりな値段がついている。土日に至っては更にその倍である。ちなみに私が泊まったときは5000円。ナイ。ナイナイ。

ということで勢い余って今度はゲストハウスを予約してみた。女性専用のドミトリールーム。

前回のスマートポッドはポットの入り口はスクリーンとはいえ、一応壁でしきられていたので、ドミトリーはこれが初体験であった。

でも、わたし的にはこれもそんなに気にならない。他の人を気づかって静かにしなくちゃとかはあるけど、そもそも本当に寝るだけだし他の人もみんな静かなので人の音が気になることもないし。そもそも私は子供の頃からいつでもどこでも寝られる子だし。

それにここもとてもキレイで清潔で、建物の外装からなにからオシャレだった。

そして何より、ビジネスホテルよりはるかに美味しい和食の朝ごはん(宿泊費5000円に込み)を陽光あふれるオシャレ共有スペースで食べていたら、熊本から仕事で来たというかわいいお姉さんに話しかけられて、知らない人との交流があったりもした。

そんなこんなですっかりゲストハウスいいじゃないとなったワタクシ、今度は出張で広島に行くことになった。

仕事の都合で二週連続の週末出張となったので、せっかく広島に行くし仕事の翌日は代休をとって広島にそのまま泊まって宮島に行くことにした。

ここでまたマイブームのゲストハウスの登場である。booking.comで検索したら一泊2000円の宿が見つかった。レビューはまあまあよい。写真で見る限りは部屋も清潔できれいそうに見える。勢いづいていた私は、勢いづいたままそこを予約した。

さて当日。サイトに載っている場所を訪ねたらオシャレ看板なんだけど「木賃宿」って書いてある。まずここで1怯み。いやまぁ木賃宿なんだけど。そうなんだけど。木賃宿とか言われるとあしたのジョーに出てくる泪橋とかを想像してしまうじゃないか。

チェックインしたら、宿泊施設はちょっと離れたところにあるという。チェックアウトは、ベッドシーツをはずして入り口においといてくれればこちらに戻ってくる必要はないという。ちょっとまて。ということは受付とかに人はいないってことだよね。無人てことだよね宿泊客の常識に委ねられてるよね。ここで2怯み。

とはいえ、やっぱりやめときますとかいうわけにもいかず、とりあえず向かうことにした。入り口には暗証番号を押す式の鍵がついているということだった。

歩いて3分くらいの短い距離の間にいろいろ考えた。あまりにもやばそうだったらどっか別でホテルを探そう。前払いで払ったのはそもそも2000円なんだし。

暗証番号を押して建物に入ったら、4つくらいのドアがあって雰囲気はほぼ誰かの家みたいな感じだった。意を決して言われた番号の部屋に入ると(今回も女性専用ドミトリールーム)、木でできた組み立て式二段ベッドみたいなやつが6畳くらいの部屋に2つおいてあった。つまり4人部屋。

うち2つのベッドに先住民がいらした。

私は奥の窓際の二段ベッドの上が割り当てられていた。はしごを登ってみた。

マイスペースにおさまってカーテンをひくと、まぁ悪くない。次の日の朝、干潮時の厳島神社にいくためには5時半起きだし、5時半に起きるから寝るのも早いし、まぁいいかと思った。

トイレがてら共有スペースを偵察してみると、シャワールームも清潔だしトイレも綺麗だった。

結局、その後ごはん食べにでかけたりユニクロで半ズボン買ったりしたあと、木賃宿に戻って清潔なシャワールームでシャワーを浴びて、23時には寝ることにした。

が、なかなか眠れない。眠いのになんか気になって眠れない。静かなのに。

そうこうしていたらトイレに行こうとして起き上がったときに、スマホを二段ベッドの柵の隙間から落下させてしまうという事故が発生した。平謝りに日本語で謝って取りに降りようとしたら、下に寝ていたのは外国人の女の子だったようで、英語でここから渡すよと言って下から渡してくれた。階下の住民とのその小さな交流が、どうやら私の緊張を溶いてくれたようでそのあとはすんなり眠れた。

朝、予定通り5時半に起きて、朝早くシーツ剥がしたりガソゴソしたことを同室の皆さんに心の中で謝りながら木賃宿をあとにした。玄関を出るとき、前日の夜に椅子を見なかったかと話しかけてきた外国人のおばさんが手をふってくれた。

結果、この木賃宿はレビューどおりに清潔でちゃんとした宿で、宿泊客も常識的、とても良いお宿でした。ありがとう。怯んでごめん。

というわけで私のゲストハウスに泊まるぞブームはまだしばらく続きそうです。

 

なお、5時半に起きてフェリーに乗っていた厳島神社はまさしく筆舌に尽くしがたい美しさでたいそう感激しました。また近いうちに必ず行きたい。そしてそのときは宮島のゲストハウスに泊まって一日中海辺に座って潮の満ち引きと大鳥居を眺めたいと思います。

また楽しみがひとつ増えた。ウフフ